澤田、フィジーで働くってよ

青年海外協力隊として、フィジーの教育省で教材やカリキュラムを作ることになった、澤田の奮闘を綴ります。

政府主催の研修に初参加

勤務27日目。今日はBulouさんのご好意で、フィジー政府主催の研修に初めて参加させてもらった。

教育省に加え、保健省や経済省、漁業省など、さまざまな省庁から総勢30名くらいのオフィサーが任意で参加していた。

 

テーマは、フィジー政府の新人事制度「Open Merit Based Recruitment & Selection」、通称OMRS。日本語に訳すと「開かれた能力ベースの採用活動」という感じだろうか。

差別やコネが横行していた公務員採用の制度を能力本位のものに改革し、今まで閉ざされていたプロセスを開示するということらしい。

新しい制度では、オフィサー自身が面接官として採用にかかわることになるので、具体的な評価手法などをこうした機会に学ぶのだそうだ。

 

フィジーにおける研修の運営方法、公務員の採用制度という2つの面ですごく勉強になった。

 

まず、研修の運営方法について。いいなと思ったのは、一方通行の講義形式じゃなくて、インタラクティブな実習形式だったこと。

できる限り、所属が異なる初対面の人が混ざり合うように、5~6名ずつのグループが6つ構成され、エントリーシートの評価や模擬面接などのワークを行った。

講義パートも、講師が意見や質問を求めると、必ず誰かが発言して、活発な議論が起こる。この積極性は、日本人が見習いたい点だと思う。

 

私が所属したグループは5班。最初は私1人外国人ボランティアということで浮きまくってたけど、研修が終わる頃にはすごく仲良くなれた。模擬面接では、私が応募者を演じることになり、ちんぷんかんぷんなこと言っちゃって、めっちゃ笑われたけど。

 

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移民省で働く24歳のインド人女性が超イニシアチブを発揮して議論を仕切ってくれた…フィジーの未来は明るい!

 

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こういうセミナーの講師って、なんでどの国も同じようなキャラクターなんだろう。言語は違うのに既視感すごかった

 

あと、研修の合間には、モーニングティーとランチとアフタヌーンティーが政府の予算で振る舞われた。噂には聞いていたけど、無料で参加できる上に、こんな豪華な食事が無料で食べられるなんてすごすぎ

 

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モーニングティーはフルーツとサンドイッチとポテト。もはやティーではない

 

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ランチはココナッツミルクで魚を煮たフィジー料理やパンプキンカレーなど。みんなで一緒に食べるので、参加者間の距離がぐっと縮まる

 

先輩隊員によると、フィジー人にとって、このような研修でティーとランチが振る舞われるのは当たり前。食事を楽しみに参加する人も多いのだとか。

だから、隊員が企画するワークショップでもケータリングを依頼する必要があるのだけれど、国民の税金で成り立っているJICAの予算から飲食費を支給してもらうことは難しく、でも食事なしだと人は集まらないしというジレンマがあるらしい。

 

次に、公務員の採用制度について。求人情報の決定、募集、選考、応募者への通知、契約など、ステップがかなり細分化され、それぞれの責任者も明確になっている。外国の採用制度には詳しくないけど、日本の就活を経験した身としては、すごく成熟しているなと感じた。

 

冒頭でも少し触れたけど、フィジーでは今もなお、このような採用の場面で、人種や宗教などによる差別が起きるという。イタウケイ(原住民系フィジー人)はイタウケイ、インド人はインド人を採用するし、この国において少数派のムスリムは、近年の過激派テロの影響もあって、多数派の民族に比べると不利な状況に置かれているそうだ。フィジーではテロなんて起きてないのに。

 

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どのような差別が起こりうるのか、それを防ぐにはどうしたらいいかというテーマで議論するワークがあったほど、その問題は身近で深刻

 

差別を廃止するためにこの制度が導入されたにもかかわらず、採用のプロセスや評価観点は各省庁に委ねられているらしい。それは参加者も初耳だったそうで、結局開かれてないじゃん、と紛糾する場面も見られた。多民族国家フィジーが抱える問題の根深さ、解決までの道のりの遠さを実感した。

 

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「KESA(知識・経験・技術・能力)とSTAR(状況・役割・行動・結果)を合言葉に評価しよう!」というけど、定量的な基準はなく曖昧

 

何はともあれ、学びの多い1日でした。私も2年のうちにフィジーでワークショップを開くかもしれないし、ひょっとしたら将来、英語で選考を受けるかもしれないし。いいイメトレになった。

ドタバタ引っ越し騒動記〜前編〜

前編・後編にわけて、引っ越しの一部始終を綴ります。

まず、なぜ引っ越しをするのか、というところから。

 

私たちはフィジーに赴任した7月10日から9月半ばに至るまで、首都・スバにあるJICA借用の寮に住んでいました。

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この寮は、JICA関係者の会議所や地方から上京してきた隊員が滞在する施設としても使われており、新隊員が訓練期間中のみ居住することが認められています。

だから本来は、訓練が終わって勤務を開始した8月半ばから、各々の職場に近い住居に移り住まなければならないとされています。

 

首都・スバで働く隊員は、市内沿岸部に位置する「Government quarter」という政府官舎に移り住み、治安上の懸念から、同性2~3名でルームシェアすることが決められています(シニアボランティアを除く)。

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現在、JICAが政府から与えられた棟は、隣り合わせの4軒。うち男性が2軒、女性が2軒を使っていたのですが、新隊員の私たちが女性3名なので、入りきらないということに。そこで、JICAが新しい棟の借り上げを政府に申請。

 

しかしこれが、さすがフィジーといったところで、すごーーーく時間を要した上に、蓋を開けてみたら2名しか入れない棟だったので、2名で3名用の棟を使っていた男性の先輩隊員が自分の住居を空けてそちらに移ってくれることとなり、勤務開始して1か月経った今、ようやく引っ越しできる目処が立ったわけです。

 

まあ、アフリカや中南米の国々では、隊員が自分で住居を探して、家賃の支払いを行わなければならないケースがほとんどなので、それに比べたら恵まれていると思う。ありがとう、フィジー

 

さてさて、長かったですが、ここまでが前提。政府官舎には、備えつけの家具・家電はほとんどない。ベッドの木枠と棚くらい。つまり、冷蔵庫や洗濯機、机などはJICAから支給される生活費を工面して、自分で買わないといけないわけです。

 

このことを同僚のBulouさんに話すと、優しい彼女はわざわざお休みの日に車を出して、ホームセンターに連れていってくれるという。というのも、外国人だけで行くとぼったくられるらしい。

お言葉に甘えて、先週の日曜日、Bulouさんと2人の同期隊員と一緒に、スバ郊外のサマブラというところにある「Courts」というホームセンターに行ってきました。

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ちなみに、事前にスバ中心部にあるショッピングモール「MHCC」や「Cost U less」も見てきましたが、結論として「Courts」のほうが品揃えが豊富かつ値切りもできて◎、ということがわかりました。フィジーで新生活をされる方は「Courts」で必要なものを揃えることをオススメします。

 

私たちがこの日、入手したかったのは、冷蔵庫・洗濯機・ガスコンロ・ベッド用マットレス。コストと質の両面を考慮して、以下の4点を購入しました。

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Hisense(中国)製冷蔵庫。Bulouさんイチ押しの赤。529ドルが475ドルに

 

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Hisense(中国)製9キロ洗濯機。二曹式も全自動もそんなに値段が変わらなかったので全自動を購入。845ドルが795ドルに

 

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アメリカ製ガスコンロ。金属製だから錆びちゃうかもしれないけど、ガラス製は高いので、これに。79ドルが65ドルに

 

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メーカーがわからないマットレス。寝具を妥協すると体がバキバキになるので、いい仕事をするためにもちょっとこだわった。445ドルが400ドルに

 

面白かったのは、このお店は店長滞在時のみ、値引きの交渉ができるということ。店員に見積もりをもらって、店の少し高いところに座っている、ラスボス感漂う店長に提出。

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店長がすっすっすっと見積もりに赤を入れ、各商品を値引いて、私たちにそれを返す。こんなルール、Bulouさんに付いてきてもらわなかったら、わからなかったわ(泣)

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おかげさまで1人あたり約5,340円のコストダウン。1人850ドル(約51,000円)を支払いました。日曜日は運搬できないとのことなので、翌日月曜日の勤務後に来てもらう約束を取り付けた。

すべてうまく運んだことに同期と大いに喜び、Bulouさんに色々お礼をして、帰宅。

 

翌日。

フィジーでは運搬業者は決まった時間に来てくれないので、来られそうになったらBulouさんに電話をしてくれる、ということになっていた(私たちもそのタイミングで政府官舎に行って、鍵を開けないといけないため)。

なかなか鳴らない電話。おかしいね~とBulouさんと話していると、突如として16時に電話が鳴り、「今まさにトラックがおうちの前にいるよ」とのこと。

えええ!直前すぎる!もう少し余裕をもって言ってくれればいいのに!笑

 

勤務時間中だけど、上司の許可を取って、Bulouさんが車を飛ばしてくれて政府官舎へ。鍵を開けると、業者さんが商品を首尾よく運び入れてくれた。

洗濯機を蛇口に、コンロをプロパンガス(フィジーには都市ガスは存在しない)に取り付けるための部品は別売だとわかって、結局冷蔵庫しかまともに設営できなかったけど。

 

翌日運搬と言っても、約束を守ってもらえないのが常らしい。だから、私たちはラッキー。何もかも、Bulouさんの交渉力のおかげだ。本当にありがたい。

 

後編につづく。

日本の常識はフィジーの常識じゃない

勤務25日目。来週の月曜日に、Secondaryの朝礼でもプレゼンをやらせてもらえることになり、Secondaryの教科書に目を通し、改善点を洗い出していた。

そこでBulouさんに知らされた衝撃の事実。それは、フィジーの子どもたちは、自分の教科書を持つことができないということだ。

 

以前は、保護者の負担で教科書を購入していたそう。ただ、低所得層が購入できず、教育格差が生まれてしまったことから、数年前、政府が学校に教科書を無償で貸与するという方針に切り替えたそうだ。

そのやり方は、各校の校長が学年・教科ごとの必要部数を以下のフォーマットを用いて政府に申請。新学期が始まる前に学校に届き、児童・生徒に配布するというもの。

 

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フィジーの新学期は1月

 

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申請には、このフォーマットを使う

 

ただ、申請が漏れることや、部数の見積もりが甘いことも多いらしく、教科書がない状態で新学期がスタートしたり、教科によっては教科書なしで学び続けるということもしょっちゅうなんだとか。

児童・生徒は学校から貸与された教科書を1年間手元に置いておくことができるけど、その翌年には別の児童・生徒が使うため、書き込むことはできない。(アルファベットの練習帳などのワークブックは除く)

 

てっきり子どもたちが教科書を所有できるものと思っていた私は、書き込みやすいように記入欄を大きくしたほうがいいなどの提案をしようと思ってた。まあ、書き込むことを認めてないのに、記入欄を作ってるオフィサーもオフィサーだけど、思い込みって怖いなと感じた。現場を知らないと、的外れな提案ばかりしてしまいそうだ。

 

言われてみれば、予算も資源も限られてるこの国で、子どもたちが自分の教科書を持てるだろう、と当たり前のように思っていた私の考えは、浅かったなあ。

 

極論を言えば、教科書なんかなくても、勉強はできるのだろう。でも、「機会均等」という見方をすると、一部の学校にしか教科書が届かないなんてことは、あってはならないと思う。

それに、やっぱり私は、自分の教科書で学べることの喜びを、子どもたちに味わってほしいなあ。先生の言ってることや自分の考えをメモしたり、マーカーを引いたりして、お気に入りの一冊を作っていくことは、絶対に学力にもいい影響を与えると思うし。

 

教科書が十分に行き渡らないこの国で、編集者の私に何ができるのかなあ。ICTを活用してっていうのも、インターネットの整備状況を見ると現実的じゃない。

 

とりあえずわかったことは、日本の常識はフィジーの常識じゃないということ。

ずっとオフィスにこもっていちゃだめだ。早く現場を見に行かなきゃ。

千里の道も一歩から

勤務23日目。

今朝は、先週まとめたPrimaryの教科書デザインの改善点をオフィサー相手にプレゼンした。

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私の10の提案は、以下の通り。もはやデザインじゃない問題も含まれてるけど。

 

1.見出しのデザインをシンプルにしよう(色やWordArtに頼りすぎて、ごちゃごちゃしている)

2.ロイヤリティフリーもしくはオリジナルの画像を使おう

3.画像の縦横比を変えないようにしよう(画像を極端に伸び縮みさせているので、とても見づらい)

4.ページの背景すべてを塗りつぶさないようにしよう(白がベスト)

5.文字色と背景色のコントラストを強調しよう

6.使う色の種類を最低限にしよう(2~3色がベスト)

7.記入欄を塗りつぶさないようにしよう(記入欄を派手な色で塗りつぶしているので、鉛筆で書き込みづらいし、インクの消耗も激しい)

8.明白で読みやすいフォントを使おう

9.文字や画像の配置を統一しよう(左寄せ・中央寄せ・右寄せ)

10.1つの問題を2つのページにまたがせないようにしよう

 

問題点を指摘するだけでなく、具体的な改善案を示すと同時に、その根拠もできる限り理論的に説明した。

 

例えば、「6.使う色の種類を最低限にしよう」では、左に現行のデザイン、右に改善案を示した。

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現行のは「クリスマスか!」とツッコミたくなる派手な色づかい

 

自分の好みやセンスで判断するのではないとしたら、どのように色を選んだらいいのかわからないだろうと思ったので、「7025:5」の理論を紹介。

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ベースカラー(背景色):メインカラー(見出しや強調したい箇所):アクセントカラー(特に強調したい箇所や注意書き)=70:25:5がいいとされている

 

あと、同系色・類似色・補色・対照色のパターンをいくつか例示して、それが身近な商品や企業のロゴにどのように使われているのかも紹介した。より説得力が増すかなと思って、フィジーのブランドロゴを引用した。

 

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フィジー人の多くが利用する銀行ANZや私の大好きなFiji Bitterビールのロゴを例に挙げた。笑いも取れたので一石二鳥

 

正直、私だって、大学や前職で配色を専門としていたわけじゃない。ただ、この国の教科書の色づかいがユーザーフレンドリーでないことは素人目にもわかるので、問題意識から今、急ピッチで勉強してる。なので、お世話になったサイトを載せます。プレゼン資料もWebも、元となる考え方は同じなので、勉強になる。

 

 

baigie.me

ppt.design4u.jp

liskul.com

 

プロのデザイナーさんでも、習得するのに数年かかるとされる「配色」。今の私の浅薄な知識では到底デザインを語れないので、もっと勉強しなくては。

 

オフィサーの反応はというと、かなり良好!朝礼の最後に発表したのだけど、朝礼中はだるそうに腰掛けていたオフィサーも、発表時はスクリーンがよく見えるように席を立って、真剣にメモしてくれていた。「配色のくだりが特に参考になった。7025:5だよね」「Mikuがいる2年間のうちに沢山勉強させてもらおう」と沢山のオフィサーから声かけ・メールを頂いた。

 

褒め言葉だけじゃなくて、大変参考になる意見ももらえた。例えば、私はユニバーサルデザインの視点から、視認性の高いサンセリフフォント(例:VerdanaHelvetica)を使うことを推奨した。しかし、あるオフィサー曰く、それらのフォントは大文字の「I(アイ)」を簡易的に表示するので、フィジーの子どもたちに誤ったアルファベットの形を記憶させてしまうそうだ。だから彼は、Comic Sansを使っているらしい。

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英語が公用語のフィジーにとって、アルファベットを正しく表記するということはとても重要。私にはその観点が欠落していたな、と気づかされた。

 

しかし、こういう議論が生まれたのも、この機会があったから。反響を受けて、同じことを、Secondary、そしてCDUの外であるTEST職業訓練局)でもやろう、とBulouさんと画策中。まあ、教科書のデザインがオフィサー自身の手によって改善され、さらに子どもたちの学びがより良くなって初めて、私のしたことは成功だと言えるんだけどね。

 

今日も「それって、ただの好みの問題じゃん!」とツッコミたくなるフィードバックをもらって萎えたけど、1回きりのプレゼンで数年続いてきたものを変えるのは無理だから、地道にコツコツやっていこう。

ゆるゆるほっこりな1週間

今週はオフィサーが離島にワークショップに出かけたため、3階はほぼ空っぽ状態。残っているのはBulouさんと私、リサーチオフィサーだけ。

 

リサーチオフィサーとは何ぞや、ということで、CDUの役職一覧をまとめてみた。

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このブログで便宜上私がオフィサーと呼んでいるのは、SEOのこと。年配の男性が多くを占めるSEOがいなくなっちゃうと、残るのは全員若い女性なのだ。

 

普段は静かな女性たちも、この1週間は水を得た魚のように生き生きとして、職場は女子会のような雰囲気に。みんなどんだけ溜まってるんだ。

 

私が週末引っ越すので、お昼休みに一緒に家電を見に行ってくれたり(優しすぎる)、みんなで体重を測ってお互いの体重にびっくりしたり(フィジアンの女性は100kg前後が当たり前)、みんなの健康状態を憂えておにぎりを作ってきたり、逆にフィジー料理をご馳走になったり、編集部の部屋を模様替えしてみたり。

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今まではBulouさんの部屋を間借りしていた状態だったけど、完全な2人部屋にレイアウト変更。やった~!

 

そう、ほとんど仕事してない。

 

でも、そのおかげで、Bulouさんとゆっくり話す時間が生まれた。

家族やペットの話、SNSについての考え方、日本とフィジーICT教育事情などなど

 

色々なことを語り合った1日の終わりに、Bulouさんが言った。

「本日最後の質問。Mikuはフィジーに来られて、嬉しい?日本の家族が恋しくない?」

「え、とっても嬉しいよ!勿論家族には会いたいけど、嬉しくなさそうに見える?」

 

「いやいや、そういうことじゃなくて、ただ確認したかったの。私が逆の立場で、アメリカやオーストラリアの教育省でボランティアをすることになったら、文化の違いにどんなに悩まされることだろうって思う。だからMikuも大変じゃないかなっていつも考えるの」

 

「そんなことないよ!Bulouさんに優しくしてもらっているおかげで、全然大変じゃないよ。でも確かに、慣れるのに必死すぎて、まだあまり貢献できていないから、申し訳ないなって思う」

 

「えー、Mikuはすごく働いてくれてるよ。他のオフィサーたちの働きぶりを見てみて。1日中ネットサーフィンしてる人もいるんだよ。それに比べたら、私たちはなんてすごいことをやってるんだと思わない?Mikuは既に他のオフィサーを超えてるよ。あなたはいつも私たちのために色々働いてくれてるけど、2年間は短いし、Mikuの人生も短い。もっと自分のために楽しんだっていいんだから、Mikuがフィジーでやりたいことを教えて。仕事の中でも、仕事の外でも」

 

Bulouさんのあまりの優しさに、思わず涙がこぼれた瞬間だった。すると「やめて~私も泣いちゃうから」と言ってBulouさんも泣いてた。

 

いつかこのブログで、彼女が私をこれほどまでに推しているのは、彼女自身のキャリアにも関わるから?なんて書いたことがあったけど、あれは間違いだったなと思う。

ただただ本当に、どんな人の気持ちにもなって、物事を考えられる、優しい人なんだと思った。

だって、日本のお菓子をシェアする時も、自分で全部食べちゃえばいいのに、必ず半分残してお母さんに持って帰ってる。

今週末の引っ越しも、休日にもかかわらず、Bulouさんがわざわざ車を出してくれることになった。

 

どこまでも優しい彼女にどうやったら恩返しができるのか、まだわからないけど、私も同じように誰にでも優しい人間になること、そして彼女と一緒に楽しい仕事をすることかな、と。

 

今週、ゆるゆるお話ししながら、教科書デザインの改善点をまとめていたら、それを来週月曜日の会議で発表させてもらえることになった。彼女と一緒に。だから、楽しんで頑張ろうと思います。

三歩進んで二歩下がる

勤務18日目。職場には連休明けの気だるい感じが漂っており、朝礼も実施されなかった。

夏休みを取っていたBulouさんは髪型を変え、新しいスマホもゲットして、ご機嫌の様子。

 

久々にBulouさんに会えたのはとても嬉しかったけど、朝から、もやっとする出来事が二つあった。

一つ目は、先週提出した9年生の英語の教科書のデザイン案について、オフィサーの理解が得られなかったこと。

 

私たちが担当したのは、表紙と各単元の見出しページ。

旧デザインは、WordSmart Artを使った、文字文字しいデザイン。

色やテクスチャを使いすぎていたり、背景色と文字色のコントラストを考慮していなかったり、余白が少なかったりと、ツッコミどころが満載だった。

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そこで私たちは、文字の内容を象徴する画像を挿入し、文字や色の数を抑え、余白を増やした。

これは、障がいを持った人にとっての見やすさを追求する「ユニバーサルデザイン」でも推奨されている考え方。

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でも、オフィサーからは、画像を大きくして余白を減らし、もっと賑やかな感じにしてほしい、というフィードバックを頂いてしまった。

前の仕事でもよく感じたことだけど、デザインは理論じゃなくて、主観・好みで判断されがちなので、こういう時、本当にもどかしい。そして、私も会社員時代、同じことをデザイナーさんにしちゃってたのかなと反省。

 

このデザインにしたのには、ちゃんと訳がある。それを理解した上でジャッジしてほしいと思った私は、日本の教科書を見せながら、むやみに賑やかにするとかえって見づらくなってしまうとか、一定以上の余白は必要だとか、できる限り理論的に伝えてみた。

 

Bulouさんは大きく頷いてくれたけど、オフィサーは苦笑いしながらこう言った。

「あなたは余白を増やしたいというけど、上司には、なるべく余白を作らないように言われたのよ。だから、うまいこと直して」

 

私も曲がりなりにも会社員だったから、彼女の気持ちはわかるけど、「私の生徒は賑やかなデザインが好きだったから」とかじゃなくて「上司に言われたから」って

結局、これ以上主張するのは関係性のためによくないと考えて、渋々、直すことを承諾した。

 

それからしばらく、あの時は言い返さないで、素直に聞き入れたほうがよかったかな、と一人でうじうじ悩んだ。

Bulouさんには、Mikuは真面目に考えすぎだよ~適当に聞き流したほうがいいよ~と言われたけど。。。

 

デザインには理論があることを知ってほしいし、「編集部=御用聞き」だとも思われたくない。

でも相手は教員歴20年。こんな外国から来た小娘に偉そうなことを言われたら、気分を害するに違いない。

最初のうちは、御用聞きでもいいのかな。うーん。

 

二つ目は、学校向け映像教材の制作を担当するSBUとのミーティングで感じたもやもや。

彼らの仕事を編集部が手伝うことになり、初めてSBUの実態を知ったのだけど、

・複数人のチェックが入る教科書とは異なり、映像教材は彼らのボスだけがチェックするので、間違いが起きやすい

・フィジー全土の学校に配布する数千枚ものDVD-Romを家庭用のプリンターでオフィサーたちが1枚1枚印刷している

・彼らは撮影のプロなのに、遠方の撮影には出張費の都合で同行させてもらえず、素人が撮影した質の低い映像を加工するという作業に時間を費やしている

などなど。

 

2点目については、御用達の印刷会社もあるのになんで外注しないの、と聞いてみたところ、外注の手続きを踏むほうが面倒くさいと言っていた。

気持ちはわかるけど、フィジーの人って、長い目で見たらこっちのほうがいい的なことをあまり考えないで、刹那的に働きがちだと常々感じる。

決裁ルートを整理するとか、外注や出張のメリットをまとめて上司に提案するとか、なんかできないのかなあ。うーーーん。

 

もやっとした一日だったけど、嬉しいこともちらほら。

例えば、もう1人の編集者であるMeciさんが、私のデスクにやってきて、言った一言。

「メール見たよ。確かに、普通の学校にも、視覚障がいを持った子どもはいるよね」

 

というのも、私が先週提出したデザイン案に、視覚障がいを持った人が見たらこうなる、というイメージを添付したのだ。

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Photoshopでは、P型・D型の視覚障がいのフィルターをかけることができる。それから、白黒印刷のイメージを確かめておくことも重要

 

Meciさんについては、宛先をCcに入れただけだったけど、ちゃんと見てくれている人がいる、というのが嬉しかった。

私は障がいを持った子どもに特化したデザインというよりも、あらゆる子どもにとって見やすいデザインを追求する視点を、オフィサーたちに持ってほしいと思っている。自分の好き嫌いで判断するんじゃなくて。

だから、これは大きな一歩。こうして少しずつ、みんなの意識を変えていけたらな。

 

それに、自主的に毎週提出しているレポートも、Bulouさんだけでなく、PrimarySecondaryのトップが目を通し、フィードバックをくれるようになった。

編集部が何をやっているのか、何ができるのか。それを伝える一助になっていたらいいなと思う。

 

最後に、今日、初めてBulouさんとツーショットを撮りました!9月10日は自撮り記念日となりました。わーい。

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おしまい。

シンガトカ旅行記

先週の土日は、初めてスバの外に旅行に出かけました。行き先はシンガトカ。

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首都・スバと国際空港のあるナンディの間に位置している

 

「コーラルコースト」と呼ばれる珊瑚礁の綺麗な海があったり、国立公園である砂丘が広がっていたりと、見どころが満載。オーストラリアやニュージーランドの観光客に人気の高いスポットなのです。

 

シンガトカ病院で働く先輩隊員が間もなく任期を終えられるということでお誘いいただき、1泊2日で行ってきました。

 

~1日目~

 

スバのバスターミナルにて、朝7時25分発シンガトカ行き「Sun Beam」号に乗車。片道10FJD(約600円)くらい。

3人掛けのシートには乗客がぎっしり。冷房はガンガン効いてるし、BGMも賑やかなので、上着とイヤホンを持っていくことをオススメします。

 

10時半頃にシンガトカのバスターミナルに到着。目の前にある市場をぶらぶら。

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インスタ映えする壁画

 

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色鮮やかな野菜や果物が並ぶ。今の時期はトマトとキャベツが安いらしい

 

先輩隊員が迎えに来てくれて、市場の近くにあるレストランShivas Wine & Dineでランチ。

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真っ昼間からビールを飲む幸せ。ピザや炒飯が美味しかった。

 

その後は、念願の「シンガトカ大砂丘へ。市場からタクシーで10分程度の位置にある。

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入場料は10FJD(約600円)。散策ルートは1時間のショートコースと2時間のロングコースがある。私たちは前者を選択。

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所要時間1時間の「Yato Lekaleka」コースへ

 

砂丘にたどり着くまでに、結構急な山を登り降りするので、歩きやすい靴と服装で行くことをオススメします。

スバでは味わえない壮大な自然。頂上からの見晴らしはとてもよく、吹き抜ける風が心地よいです。

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沖のほうまで見える

 

しばらく歩くと、砂丘らしいところが現れた。

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でも先輩隊員いわく、これは砂丘じゃないらしい。

もっと砂丘らしい場所があると聞いて、一同歩き続ける。でも、なかなか見つからない砂丘

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どうやらショートコースでは、これが限界らしい。先輩が見たという砂丘は、ロングコースにあった模様。

 

しかし、来た道を戻ってロングコースを再び歩く余力は、我々にはない。

「まあ、これも砂丘っちゃ砂丘だよね~」と言いながら、帰りました。

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帰り道の森の中では異様な高音が響いていたので、不思議に思って見上げてみると、沢山のコウモリが木にぶら下がっていた!葉っぱみたいに見えるのは全部コウモリです。フィジーは固有種のコウモリがいることでも知られています

 

砂丘からタクシーで帰って、市場で夜ご飯の買い出し。

というのも、今夜は先輩隊員のおうちに彼女の同僚がやって来て、先輩のお誕生日パーティー兼送別会を行うというのです。

私たちもちゃっかり参加させてもらうことになり、カレーやサラダなどを作るのをお手伝い。

 

17時半になると、先輩宅に続々と同僚が集まってきた。手作りのバースデーケーキや魚料理など、同僚が持ち寄ったご馳走がずらりと並ぶ。美味しそう。

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ご馳走だけでなく、同僚たちは先輩の首にお花をかけてあげたり、ケーキをお口にあーんしてあげたり、特注のプレゼントを贈呈したりと、とにかくすごかった。こんなに愛されているということは、先輩は相当頑張ったんだろうなあ。私も2年後、同僚とこういう素敵な関係が築けていたらいいな、と思った。

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20時半くらいに宴はお開き。片付けを済ませて、少し団欒してから就寝。

 

~2日目~

 

1つのベッドで寝た私と同期はすっかり寝坊してしまい、先輩が作ってくれた朝ご飯を食べた後、みんなで水着に着替えて、近くのビーチに出かけました。

 

一大名所である「コーラルコースト」は沖にあって、船に乗っていかないといけないので、今回は断念。

でも、最寄りのビーチでも十分綺麗。

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ちょうど引き潮だったし、珊瑚や岩でゴツゴツしている海だったので、あまり泳げなかったけど、水は透き通っていて、可愛い熱帯魚を沢山見つけることができました。

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記念すべきフィジーでの初・海水浴を楽しんだ後は、先輩宅でシャワーを浴びて昼食をご馳走になり、夕方シンガトカのターミナルでバスに乗って、スバに帰りました。

やっぱり帰り道も冷房が効いてて寒かった。ううう。

 

楽しかった~。先輩隊員に心から感謝。シンガトカ、すっごくいいところでした。