澤田、フィジーで働くってよ

青年海外協力隊として、フィジーの教育省で教材やカリキュラムを作ることになった、澤田の奮闘を綴ります。

教育省での勤務開始

2018年8月16日、木曜日。今日から、配属先「教育省カリキュラム開発局(CDU)」での仕事が始まりました。約2年間、私はここで編集者として働きます。

 

なお、もう1人の同期隊員も、体育担当として同じ機関に配属されています。すごく心強い存在。

 

着いて早々、「Principal Education Officer」という、CDUで二番目に偉い役職の男性に簡単に建物の中を案内してもらった。

私は3階の「Editing Section(編集部)」、同期は1階の「Primary Section初等教育部)PEMAC(情操教育)チーム」の一員として働きます。

 

協力隊には大体、受け入れ先に、技術移転する対象となる同僚がいて、これを「カウンターパート」と呼んでいるのですが、私のカウンターパートはBulouさんというフィジアンの女性。

100人近くが所属するCDUで、編集者はたったの2人。そのうちの1人が彼女。

 

よく笑う素敵な女性。忙しい中、編集者の仕事の流れや過去作ったものなどについて教えてくれた。

CDUには、各教科専任のオフィサーがいる。そのオフィサーが、シラバスも教科書もテストも、すべて1人で作る。そのデザインを手伝うのが、編集者の役割。

主に表紙のデザインを担当することが多く、オフィサーからのリクエストを受けて、BulouさんがPhotoshopで2、3案作り、オフィサーの確認を経て校了。中身と一緒に印刷所に出し、製本して、全国の学校に届けるという仕組みらしい。

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どうやらこっちでは、「EditingGraphic Design」という考え方をするみたい。中身も一緒に編集できるものだと思ってたから、少しびっくりした。

 

デスクを用意してもらったけど、パソコンがまだ届かないというので、Bulouさんにもらった教育省の年次報告書を読んで勉強。疑問に思ったことを書き出して、近くのオフィサーに尋ねるも、みんな忙しそうで...新入社員時代を思い出した。フィジーに限ったことではなく、新しい職場に入るというのはこんな感じだよね。

 

12時になると、編集者のお二人が同期と私をランチに連れて行ってくれた。近くのフードコートで、フィジー料理をご馳走になった。こうやって歓迎してもらえると、すごく嬉しいな。ココナッツミルクで、貝と魚を煮たもの。クリーミーで美味しかった。

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13時には、Bulouさんが印刷所に行くというので同行させてもらった。フィジー政府は公的文書を印刷・製本する機関を持っていて、テストもここで作られている。近日中に実施される高校の卒業試験に誤字脱字がないか、最終確認をするために、Secondaryのオフィサーを連れてやってきたのだ。

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念入りに問題・解答用紙をチェックするオフィサー。ヘッダー・フッターの西暦が間違っていることに気がつくも、オッケー!って笑って校了にしてた。いいの!?って思ったけど、まあ、それくらいはいいのか。というか、オフィサーって大変だ。1人で作ってチェックして...それくらいの適当さがないと、こんな責任の重い仕事務まらないのかも。

 

併設されている「Education Resource Centre」も案内してもらった。偶然シラバスや教科書を印刷・製本するところが見られて、ラッキーでした。最新の機械を持っていて、一連の工程をほぼオートマチックにやってた。フィジー、やっぱりすごいなあ。

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帰りには、Suva Grammar Schoolという高校で、CDUが開催している教員向けワークショップを少しだけ見学させてもらった。同時に管理職登用試験も行われていた。明日はナウソリ、来週は北部と場所を変えて実施するらしい。CDU、結構やることやってる。

 

14時半にCDUに戻って、また報告書を読む。同期の職場を覗きに行ったりもした。同期のカウンターパートは、体育のオフィサー。オフィサーと編集者の関係性が気になって、普段どれくらい一緒に仕事をするのか聞いてみた。すると、Bulouさんたちの部屋はいつも閉ざされているので、その機会はほとんどない、とのことだった。

 

確かにBulouさんの部屋には試験の問題用紙が保管されているので、鍵がかかっていることも多く、気軽に入ることはできない。うーん、でも、なんかそれって勿体ない。

 

フィジーの教科書って、外国のものと比べると、文字ばかりで図や写真がなくて、とてもわかりづらい。教科の知識を持ったオフィサーと、見せ方の工夫ができる編集者がコラボしたら、もっといい教材が生まれるはずなのに。

 

もやもやを募らせた私は、退勤間近にようやく勇気を出して、忙しそうなBulouさんの部屋のドアをノックして、こう言ってみた。

「これからの2年間、Bulouさんと一緒に、教材の表紙だけじゃなくて、中身にもかかわっていきたいです」

 

するとBulouさんは、こう答えてくれた。

「そうね、私もその通りだと思う。昨年中身について、オフィサーに沢山意見したけれど、全く採用してもらえなかった。編集部は2年前にできたばかりの新しい部署だから、まだ立場が弱いの。今年はあなたがここに来てくれたから、もっと積極的に言っていきたい」

 

聞けば、Bulouさんは大学時代はコンピューターサイエンスを専攻していて、2年前までは同じ教育省傘下の、試験を作る局で「FEMIS」と呼ばれる教員のポータルサイトの立ち上げをしていたのだとか。コードも書けるらしく、プログラマーとしてのスキルを持っている、すごい人だ。私が技術移転するなんて、おこがましいにもほどがある。

 

彼女の才能が活かされれば、もっといい教材ができるし、彼女もより生き生きと働ける。2年後はオフィサーと編集者が一緒にものをつくるのが当たり前になるように、私がその架け橋になりたいな。編集部の地位を上げたい!新たな目標が生まれた1日目でした。

 

ちなみに、CDUにも、アフタヌーンティーの文化はあった。「プディング」というココナッツミルクで作ったお菓子に、バターを大量に塗って食べてた。私も誘われて一緒に食べてしまった。見た目も心もフィジアンになるのは、そう遠くないかもしれない。